南幌移住物語#3
住んで実感「実は不便じゃない」
田舎暮らしが私の自慢
令和4年2月に南幌町美園地区に新築を建てて移住した今野さんファミリー。緑豊かな中央公園が近くにあるエリアで、家の周りを走って遊ぶ子供たち(長男・駿くん、長女・瑶ちゃん)を、父・藍さんと母・渓さんはにこやかに見つめていました。「田舎暮らしに満足している」という二人。でも、ここにたどり着くまで、紆余曲折がありました。「南幌移住」に立ちはだかった壁は、今は二人が気に入っている「田舎暮らし」でした。
今野さんご家族
江別市 >>> 南幌町
父・母・2人の子供の4人家族+文鳥1羽
今野さんファミリーは移住前、南幌町の隣街・江別市内の市営団地に住んでいました。3LDKの暮らしは特段不便に感じてはいませんでしたが、子供たちが成長した後のことを考えて新居を検討し始めたそうです。「集合住宅ではない、一軒家でのびのびと育てたいという憧れが大きくなった感じですね」と藍さんは振り返ります。
ただ、転居先の有力候補は南幌町ではありませんでした。車の免許を持っていなかった渓さんは、職場のある江別市内での引っ越しを希望。日頃の買い物も困らないだろうし、利便性を考えると市内で新居を探すのが妥当だと思えました。
夢のマイホーム探しを始めた今野夫妻でしたが、なかなか希望の物件に出会えなかったそうです。価格面で折り合いがつかなかったり、冬の除雪環境に不安がある場所だったりと、悩ましい時間ばかりが過ぎていきました。
畑や田んぼが広がる南幌町
江別まで車で15分、「意外と近い」
そんな時、南幌町へも視野を広げ始めました。町内の郵便局で10年以上働いている藍さんは、配達でまわっている町のあちこちを知り尽くしています。小学校にも中央公園にも近い美園地区が、新興住宅地として賑わい始めたのも体感として把握していました。
「南幌町の移住も考えてみない?」そう提案する藍さんでしたが、江別市への通勤や暮らしの利便性を考えると、渓さんは「田舎暮らし」の提案に首を縦に振れませんでした。そんな妻の不安を解消しようと、藍さんは渓さんと一緒に南幌町に視察にきました。「自身の目で見て、実感してもらうのが一番いいと思って」
南幌視察作戦は、結果として大成功でした。江別市の自宅から南幌町の市街地まで、車でどれくらいの時間で到着するかを測っていた渓さん。15分くらいで移動できることを知ると、「あれ?意外と近い?」と感じました。
藍さんの作戦は続きます。美園地区にマイホームを建てて暮らしている郵便局の先輩宅へ。南幌の生活環境を、渓さんに話してもらいました。江別まで遠くないこと、食材は買い溜めしておけば困らないこと、そして何より子供たちがのびのびと生活して楽しそうなこと。道路の除雪も南幌町は行き届いていることを知り、渓さんの不安が解消されていきました。
話し合って、物件を見て回って、マイホーム探しを始めてから約1年。南幌町移住への大きな決め手となったのが、視察作戦の最後に訪れた中央公園でした。子連れの複数の家族が一緒に楽しそうに遊んでいる風景を見て、「この町に暮らしている家族たちは、ものすごく幸せそうだな」と輝いて見えたそうです。
新しい住宅が増加している美園地区 暮らしの中に農業がある町
南幌町の暮らし、今や自慢に
南幌に移住した今野ファミリーには、嬉しい変化がたくさん訪れています。
「お父さん、見て見て!」。新居に暮らし始めてすぐ、駿くんが息を切らして帰ってきました。その日、家のすぐ近くに「南幌ガレージ」がオープンしたタイミングでした。駄菓子やミニ四駆、ラジコンを販売しているお店で、早勢オーナーも移住組の一人です。ラジコンに感動した駿くんはその後、毎日のように家のお手伝いをしてお小遣いを貯めて、憧れのマイカーを手に入れました。野球少年団にも入り、町内に友達が増えた駿くんは「とても楽しい!」と笑顔で教えてくれました。
瑶ちゃんは幼稚園でたくさん友達をつくって、家の庭や公園で活発に遊んでいます。今年の春には新一年生。「のびのびと育っていっているのを感じます」と話す藍さんは、家族と暮らすマイホームで過ごすのが楽しくて、「外食が少なくなったかも」と笑います。
そして、移住に備えて車の免許を取ったことで活動範囲が広がった渓さん。町内だけでなく、長沼や栗山など近隣エリアにマイカーで赴き、友人とカフェや雑貨店などを探すのを楽しんでいます。南幌町内にある三重湖キャンプ場でデイキャンプにも挑戦したそう。
渓さんは「近場に素敵なキャンプ場があるなんて最高。南幌町を江別の友達に自慢しちゃいました」と嬉しそうに話してくれました。どちらかというと家で過ごすのが多かった渓さんの変化を見て、藍さんは「一番人生が変わったのは妻かも。田舎暮らしを満喫している」と微笑んでいました。
今年5月には、中央公園に遊戯施設「はれっぱ」がオープンする予定。「田舎暮らし」をますます満喫できそうですね。
(取材:令和5年3月)
自慢のラジコンと駿くん 文鳥の「もち」も家族の一員に
町内には2つもキャンプ場があります。写真はリバーサイドキャンプ場